「レコチョク年間ランキング2019(ダウンロード)」、そして「レコチョクサブスク年間ランキング2019」で新人アーティストランキング1位を受賞し、2冠を達成したmilet(ミレイ)。上半期ランキング(ダウンロード)でも1位を獲得した記念としてインタビューをさせてもらったが、今回は2冠を記念して、今の率直な想い、2019年を振り返ってみての感想、さらに2020年に向けての抱負も語って頂いた。

 

 

 

思いのほか、この現状を楽しんでいる自分がいます

 

 

 

――『レコチョク上半期ランキング』に続き、2019年年間での『新人アーティストランキング』1位、おめでとうございます!

 

ありがとうございます!上半期ランキングの1位を頂けただけでもすごく嬉しかったんですが、1年を通してこういった賞を頂けるのは、みなさんがいろんなところで聴いてくれていることが実感できて本当に嬉しいですね。この1年で、アニメやドラマなどのいろんなタイアップをいただいたり、EPも4枚リリースさせていただくことで、今まであまり接することのなかった層の方からいろんな感想をもらう機会が増えたんです。それがすごく新鮮で嬉しいんです。

 

――たくさん曲を作ることで、より新しい自分を発見することもあったのではないですか?

 

そうですね。思いのほか、この現状を楽しんでいる自分がいます。最初は慣れないことばかりで本当に大変で、インタビューもとても緊張していたんですが、いまはただ楽しいんです。さらに、リリースした曲たちが聴いてくださる人の中に入り、それが感想となって自分に返ってくることで「こういう聴き方をしてくれているんだ」とか「ここに反応してくれるんだ」という新たな発見をすることができるんです。その捉え方に自分も感化されますし、自分が書いた歌とはいえ、違う歌の側面を見ることができている気がします。なにより、みなさんがすごく深読みしてくれるのが嬉しいです。

 

――深読みは楽しいですからね(笑)。

 

あはは。そうですよね。だからこそ、そうしてもらえるように曲を作っているんです。それぞれの想いが重ねられるようなスペースを考えながら作っているので、“作戦成功!”と思いながらその反応を楽しんでいます(笑)。

 

 

 

私の中の世界と、外の世界のバランスのとり方を掴み始めた曲

 

 

 

――ダウンロードの年間26位に「inside you」が、29位に「us」が入っているのもすごいですよね。

 

まったく違う毛色の2曲を同じ位聴いてくれているということですよね。この2曲は私の中でジャンル感も違うし、歌の内容や使っている音、色も違うので、こういった結果が数字となるとより面白いですし、嬉しいです。

 

♪milet「inside you」

 

♪milet「us」

 

 

――「us」は前回のインタビューの時に、“どう受け入れられるのか”と心配していましたよね。

 

そうでしたね。私自身、TVドラマ『偽装不倫』にピッタリハマる気はしていたんです。でも、私の曲をこれまで聴いてくれていた人たちが、どう感じてくれるのかすごく不安だったんです。でも、そんな不安なんて感じる必要もなかったくらい、みなさんがすんなりと受け入れてくださったのですごく安心しました。この「us」があったからこそ、自分も一皮むけましたし、勇気を持って歌うことができて良かったなと思っています。

 

――どんな曲を歌っても、miletの曲になるということが証明できたのかもしれないですね。

 

そう思います。それに、みんなの考える私らしさと、私の考える私らしさはたぶん違うと思うんですが、私の考える私らしさが、うまい具合に「us」に取り入れることができたんです。それが、みんなの考える”milet”に重なりやすかったのかなとも思いますし。これをきっかけに、私の中の世界と、外の世界のバランスのとり方を掴み始めた曲になりました。

 

 

 

いろんな言葉は、言わないと始まらないということに気づきました

 

 

 

――miletさんはこの曲で初めて“好き”という言葉を歌詞に入れていましたが、それ以降、ラブソングを作る際に変化が出たのではないでしょうか。

 

使ってみて、歌ってみて、初めてその言葉が自分の中でどういう言葉だったかというのがわかる瞬間があるんです。それこそ、“好き”という言葉も、私にとってはただの恥ずかしい言葉というニュアンスが大きかったんですが、それよりも、自分が相手をどういうレベルで好きなのかがわかる、意味・重みがある大切な言葉だということに気づいたんです。

 

――それはすごく大きな変化ですね。

 

はい。それに、「us」は結局、“Will you stay?”の“?”で終わるんです。ここにいてくれるのか、いてくれないのか答えのない状態で終わる曲だからこそ、聴いてくださる方の中で結論を出して、意味が生まれる曲なんですよね。私がここで、“こういう歌”と言ってしまったら、その曲はそこで終わってしまうので言わないですが、私の中では、その答えが歌うことで初めて出てきたんですよ。なので、これからもその言葉の表面的な重さや、もともと持っていたものを一度払拭して、歌うことで気づく本当の意味を大事にして使っていきたいなと思うようになりました。

 

――自分でもちゃんと言葉にしようと思ったのでは?

 

そうですね。「好き」という言葉に限らず、「ありがとう」や「ごめんね」もそうですし、いろんな言葉は、言わないと始まらないということに気づきました。そのタイミングで、プライベートでも素直になったのかもしれないですね。もちろん、「us」は共作なので麦野優衣ちゃんやTomoLowくんなど、いろんな人が関わってくれたことで、本当に脱皮できた気がします。

 

 

 

 

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