北海道新聞社×レコチョクでNFT活用企画が実現!~NFTのメリットと可能性~ 北海道新聞社×レコチョクでNFT活用企画が実現!~NFTのメリットと可能性~

INTERVIEW

北海道新聞社×レコチョクでNFT活用企画が実現!~NFTのメリットと可能性~

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2024年1月に札幌ドームにて「札幌モビリティショー2024」(旧:札幌モーターショー)が開催されました。会場では北海道新聞社とレコチョクがタッグを組み、札幌の水族館『AOAO SAPPORO』の協力のもと、「NFTペンギンスタンプラリー」を実施。さらに、「札幌モビリティショー2024」に1時間早く入場し、誰よりも先に最新カーを撮影できる優先撮影パスも、NFTを活用したデジタルチケット「レコチョクチケット」を活用して販売しました。

今回は北海道新聞社の早坂さん、細井さん、そしてレコチョクでNFTを活用したサービス提供などを担当している次世代ビジネス推進部・川上の3名に今回のNFTを活用した取り組みが実現した背景や、実施して見えてきたこと、そしてNFTのメリットや今後の活用方法などについて語ってもらいました。

早坂 香織様

早坂 香織様

株式会社北海道新聞社

株式会社北海道新聞社にてWEB広告クリエイティブ・LP制作ディレクション、データマーケティングを中心にデジタル戦略業務を担当。
社内の新規事業提案制度を活用し、NFTを活用した取り組みを企画・実行。

細井 慶介様

細井 慶介様

株式会社北海道新聞社

株式会社北海道新聞社にて自社バーティカルメディアの営業・企画ディレクションを中心にデジタル戦略業務を担当。
社内の新規事業提案制度を活用し、NFTを活用した取り組みを企画・実行。

川上睦博

川上睦博

株式会社レコチョク 次世代ビジネス推進部

30代で出版からIT業界へ転じて以降、一貫してエンタメ・デジタル・モバイル領域に従事。音楽×ITの最前線に立つレコチョクに好奇心をくすぐられてジョイン。
現在は音楽×NFT商品の企画・開発の実現に向けた企画・ディレクションを中心に行っている。

親子で参加できる「NFTペンギンスタンプラリー」が実現するまで

 

──北海道新聞社さんとレコチョク取り組みが実現するまでの経緯を教えてください。

 

早坂:当社には「ファーストペンギンプロジェクト」という新規事業提案制度があり、私と細井を含めた6名でNFTを活用したビジネスを提案したんです。実現に向けて具体的に検討してみようとなった際に、2023年3月にレコチョクさんのプレスリリースを拝見し、NFTを活用した「レコチョクチケット」というサービスを知りました。「システムのAPI連携なども視野に入れて」といった記載もあったので、何かお取組みができそうだと思い、お問い合わせさせていただいたのが始まりでしたね。

 

──北海道新聞社さんが社内で事業にNFTを絡めた事業提案をしようと思った理由はなんしょうか

 

早坂:私が個人的にweb3に興味を持って調べているうちに、当社でもNFTを取り入れたら面白いのではないかと思い、新規事業提案制度を活用して提案してみました。当社では新聞発行だけではなく、SNS広告やニュースサイト「北海道新聞デジタル」運営など、デジタルを活用したビジネスも展開しているので、最先端の技術であるNFTも活用することで、相乗効果が生まれたらいいなと思ったんです。

また、NFTの特徴として、NFTの所有者になってくださった方とつながりが持てる、という点があると思ったので、お客様とのコミュニケーションやつながり、という点で何か活用できることがあるといいな、と思ったのもきっかけの1つでした。

 

──実際にNFTを活用して、「札幌モビリティショー2024」では「NFTペンギンスタンプラリー」が実施されました。本企画の内容と実施に至った経緯を聞かせてください。

 

細井:「NFTペンギンスタンプラリー」は札幌の水族館『AOAO SAPPORO』に協力いただき、会場内にある4つのチェックポイントに置かれているQRコードをスマートフォンで読み取り、ペンギンのデジタルスタンプを集めるという企画です。全てのチェックポイントを制覇してゴール受付に行くと、さらにコンプリート画像がもらえるほか、オリジナルのデジタルブックレットに加えて、『AOAO SAPPORO』の入場割引クーポンのプレゼント、さらにペンギングッズが当たる抽選会にも参加できます。

 

当初は、グループ会社が主催する落語やコンサートのチケットにNFTを取り入れられないか模索しましたが、まだNFTに触れる機会が少ない北海道で、まずは楽しんで触れていただく場を作るべく、「札幌モビリティショー2024」での企画実施で調整を進めました。お子様連れのファミリー層が多く来場するイベントであることや、レコチョクさんからスタンプラリーとしての使い方をご紹介いただいたことから、「NFTペンギンスタンプラリー」に決まっていきました。

 

 

(4つのチェックポイントに置かれていたスタンプスポット)

 

川上:基本的にNFTは、発行時に発行数を決めるのですが、フリーミントという形を取れば上限を決めずに発行できます。フリーミントは参加者がどんどん増えるスタンプラリーといった企画とも相性が良いことから、企画が具体化していきましたよね。

 

デジタルスタンプは、ペンギン22羽のうちランダムで1羽が表示されるという仕掛けになっており、ゲットするまで、どのペンギンの絵柄が出るか分からないというワクワク感を演出できたのも、NFTならではの体験だったと思います。

 

細井:ターゲットであったお子さま連れのファミリー層に多くご参加いただきましたし、加えてペンギンや水族館が好きな方にも楽しんでいただけたようで良かったですね。『AOAO SAPPORO』の入場割引クーポンやデジタルブックレットもNFTに紐づけた形で提供することで、これまでNFTを活用したことがなかった人も自然にNFTを体験できる機会が作れたと思います。

 

川上:スタンプラリーにご参加いただいた方のうち、ほとんどの方がコンプリートしていたので、楽しんでくれたのかなと思います。

 

コンプリートしてくださった方は入場割引クーポンを使って水族館に行って、スタンプラリーでゲットしたペンギンを実際に見たり、デジタルブックレットではペンギンの性格なども記載されているので、ペンギンのことをより知れたりと、スタンプラリーが終わってからも楽しめる非常に良い企画になりましたよね。

 

早坂:私の娘も夫と一緒に参加してくれたのですが、翌日、学校で友達にスタンプラリーのことを話したら同級生も参加してくれていたみたいで。話が盛り上がったと報告してくれました。

 

細井:参加者に実施したアンケート結果では、元々のNFTの認知度は10%だったんです。中にはすでにNFTを所有している方や「NFTを体験したくてイベントに来ました」という方もいましたが、大半の方は今回のイベントで知ったのだと思います。

また、参加者へのアンケートでNFTの印象も聞いたところ「最先端」や「面白い」、「将来性を感じる」といった回答が目立ちました。レコチョクさんとタッグを組むことでNFTに触れていただく企画を実現でき、さらに、参加していただいた方にNFTの価値や可能性をしっかり感じていただけたたことは大きな成果だと感じています。

 

(ゴール受付でのお客様とスタッフの様子)

 

 

企画を通して、NFTが社内外に浸透

 

──「札幌モビリティショー2024では、先行入場して北海道新聞のプロカメラマンによるレクチャーを受けながら最新カーを撮影できる「優先撮影パス」も販売されました。お客様からの反響はいかがでしたか?

 

早坂:チケットはイベント一週間前に完売しました。当日もご購入・ご参加いただいた方々がプロカメラマンの話を熱心に聞いている姿が印象的でした。「またこのようなイベントがあったら参加したいです」という声もいただいているので、満足度の高い施策になったのではないかと思います。

 

スタンプラリーはファミリー向け、優先撮影パスはカメラや車が好きな人向けと、2つの軸でNFTを活用した企画ができたのも良かったですね。

 

細井:NFTを活用した企画を通して「北海道新聞社が新しいものを取り入れている」ということや、NFTの活用方法を、より具体的に社内外に伝えられたのではないかと思います。

 

実はこれまでも社内の各部署にNFTを活用した取り組みができないか相談していたのですが、あまり事例がないNFTを取り入れることに前向きな回答を得ることはなかなか難しかったんですよね。

 

早坂:NFTは実際に使ったことがないと理解しづらい部分もあったと思いますが、今回実績が作れたことで、社内でもNFTに対する認知や理解を得られたのはすごく意味のあることだと思います。

 

 

“価値を付与できるデータである”ということがNFTの魅力

 

──今後に活かしたい課題などは見つかりましたか?

 

早坂:「NFTペンギンスタンプラリー」では、参加する際の会員登録に時間がかかってしまったり、クレジットカード以外の決済ができなかったりして、参加したかったのに断念されてしまった方もいらっしゃいました。また、参加費を1,000円に設定していたのですが、無料で楽しめる方がもっと多くの方に体験してもらえたのかなと思ったりもしたので、今後に活かしていきたいですね。

 

あと、当社の都合により「優先撮影パス」を入場券と別にしたことで、もぎりの際に、ご購入者の方にお手間をかけてしまった印象があるので、今後、入場券とNFTはセットにして提供できたらと思います。

 

課題も見つかりましたが、先ほどもお話した通りたくさんの気づきもあったので、本当にやってよかったなと思っています。

 

細井:今回見つかった課題は解決していけるものだと思うので、今後もNFTを取り入れた施策は前向きに検討していきたいですね。

 

川上:ご参加いただいたお客様は価格以上の価値を感じてくださっている方がとても多かった印象なので、企画ごとに提供する価値をしっかり考えつつ、価格を上げた形でも実現できるかなと思いました。NFTは小ロットでプレミアムな価値をつける企画にとてもマッチしているので、ぜひまたNFTを取り入れた企画にトライしていただきたいです。

 

会員登録のフローや決済手段は我々の課題でもあり、今後改善していく予定です。レコチョクの発行するNFTをいろんなところで使っていただけることが理想なので、将来的にはAPI連携もできるようにしていく予定です。

 

──今後、NFTをどのように活用していきたいですか?

 

細井:今回のように、イベント事業とNFTを組み合わせて、他の企画ができないか検討中です。レコチョクさんの強みである、チケット販売や音楽などと掛け合わせて実現できたら良いなと思います。

 

早坂:演劇系のチケットにNFTを付与して、discordなどを活用してコミュニティを作ったり、当社で主催している美術展のNFTチケットで作品を見られるようにしたりしても面白そうですよね。今回の企画を通じて、NFTは他の人とは違う体験を得られるという点に価値を感じていただけることが分かったので、こういった付加価値を与えられる企画に取り入れていきたいなと思います。

 

川上:“価値を付与できるデータである”ということがNFTの魅力なので、僕らのようなNFTを活用してサービス提供をする側は、お客様にとって価値を感じていただける体験を考えていくことが大事だと思っています。ぜひ、また北海道新聞社さんとお取組みをさせていただき、お客様へ新たな価値を提供できればと思っているので、今後ともよろしくお願いします!

 

(「札幌モビリティショー2024」会場でのスタッフ集合写真)

 

文:伊藤美咲

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