株式会社シンクパワーへの掲載削除に関する仮処分について

株式会社レコチョク(以下「弊社」)は本年5月25日、株式会社シンクパワー(以下「シンクパワー」)が公表した「レコチョクによる当社歌詞データの流用」の掲載削除につき仮処分を申し立てたところ、東京地方裁判所は10 月24日、弊社の申し立てを却下する決定を下しました。

今回の仮処分申し立ては、シンクパワーが「流用」という文言を用いて弊社の信用を棄損せしめる掲載を行ったことに迅速に対応すべく、弊社の同期歌詞データを提供している株式会社ソケッツ(以下「ソケッツ」)が特許申請を控えている状況下、特許出願前のソケッツの技術情報の開示を最小限としながらも、公正な場にて「流用の事実は無かった」ことを明らかにするために、裁判手続きを選択したものであります。

裁判所の決定においては、(当然ではありますが)弊社が当初より主張しておりましたとおり、「シンクパワーの同期歌詞データをレコチョクが流用した」という事実は認められておらず、弊社としては一定の成果があったと理解しております。

前述のとおり、迅速かつ公正な場において判断を仰ぐために、弊社は仮処分申立手続きを選択いたしましたが、仮処分の早期審理の性質上、裁判官の面前で自動生成システムの実演をするといった弊社の提案なども認められず、シンクパワーが審尋の経緯において疑義をかけてきましたソケッツの同期歌詞データの自動生成システムの存在を証明するためのシステム自体の検証はできないまま、結審を迎えることとなりました。今後、同期歌詞データの自動生成システムの存在を証明すべく、システムの検証手続も可能な訴訟提起を検討するステージへ移行することとなります。なお、その際の訴訟は当該システムの権利者であるソケッツが主体となって進行する予定です。

◆今回の仮処分申請に至る経緯
弊社は、シンクパワーから、同社の同期歌詞データを弊社が流用し、不正使用している旨の申し出を本年1月に受領いたしました。弊社の同期歌詞データはソケッツから提供を受けたものになりますので、直ちに社内の調査を開始するとともに、ソケッツにも調査依頼を行いましたが、社内調査の結果でも、弊社がシンクパワーの同期歌詞データを流用し不正使用した事実はなく、また、ソケッツからも、ソケッツの同期歌詞データは楽曲のデジタルデータから同期歌詞データをプログラムにより自動生成するものであるため、シンクパワーの同期歌詞データを流用することは無い、との回答がありましたので、本年初めより数度にわたり、その旨を回答してまいりました。

シンクパワーは、歌詞データの改行位置の一致や、誤字部分の一致、またこれらの一致したデータの修正が行われたこと自体が「確たる証拠」である、と主張しておりましたが、弊社はソケッツから、自動生成するプログラム上、インターネット上に数多く存在する楽曲の歌詞の情報を自動的に参照し、多数決の原理を用いた機械学習(いわゆるAI)によって、改行位置や歌詞を採用する仕組みとなっており、AIが学習した結果は参照状況によって変動し、改行位置などの修正も生じるとの回答を受けておりました。

しかしながら、当時ソケッツはこれらの技術について特許申請準備を進めており、弊社も当該状況は認識しておりましたので、一取引先の要望に応えてシステムについてこれらの説明はできないと考えておりました。しかし、シンクパワーからの申し入れに対して誠実に応えるべく、守秘義務を負うシンクパワー側の弁護士または弁理士に対しては説明を行う旨の連絡も致しておりましたが、シンクパワーは「自社のスタッフへの納得のいくまでの説明」を求める姿勢を崩さず、さらには自社および弊社の取引先などへ「レコチョクが流用行為を行っている」旨の虚偽の事実を伝えている旨の情報を弊社も把握いたしましたので、本年5月初旬に、弊社とソケッツと連名での訴訟提起の準備を開始していたところ、5月22日に、シンクパワーのホームページに「レコチョクによる当社歌詞データの流用」を掲載し、音楽業界総合情報サイトにも転載される状況となったため、弊社としては当該掲載の削除を求め、5月25日に、シンクパワーが自社ホームページに掲載した文章の削除に応じるよう求める仮処分を、東京地方裁判所に申し立てたものです。

以上

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