TOP > THE HUMAN BREATHS

THE HUMAN BREATHS

 

THE HUMAN BREATHS

TOSHI-LOW(BRAHMAN)、加藤ひさし(THE COLLECTORS)、キヨサク(MONGOL800)らによるスペシャル・プロジェクト“THE HUMAN BREATHS”による熊本地震復興チャリティソングを配信開始!

最新曲

インタビュー

東日本大震災から一年と数ヶ月、クリエイティブディレクター箭内道彦/モンゴル800のキヨサク/ライムスターのMummy-D/プロデューサー亀田誠治の4人が集まり、THE HUMAN BEATSの名義で発表されたチャリティソング『Two Shot』。その続編となる楽曲が、このたびの熊本地震を機に誕生した。

タイトルは『ひとりじゃないよ』。

シンガーにはキヨサクの他、ブラフマンのTOSHI-LOW、そしてコレクターズの加藤ひさしが迎えられ、楽曲の全利益はTOSHI-LOW率いるNPO「幡ヶ谷再生大学復興再生部」へ寄付されることが決まっている。シンプルで温かい楽曲に5年ぶんの思いを込めた箭内と、この曲を歌うことで普段とは違う自分を見つけたというTOSHI-LOWが、じっくりと語り合います。

──このプロジェクトはどのように始まったんでしょうか。

箭内: 猪苗代湖ズが2011年の3月20日に『I Love You & I Need You ふくしま』をリリースして、その10日後にPVをYouTubeにあげた。そのたった10日後に、〈勝手に熊本版〉がYouTubeにあがったんです。福島を元気づけようと、熊本の街をバックに唄う熊本の人たち。それが僕らには本当に心強かった。そしてそこから〈神戸版〉や〈海外版〉も届くようになっていって。その熊本で、4月14日と16日に地震が起きてしまった。今度は自分に何ができるんだろうって。それが大きなきっかけでした。

──2012年に出た『Two Shot』でもキヨサクさんは歌っていましたけど、今回は新たに加わった二人が面白いですね。

箭内: TOSHI-LOWは、宮﨑あおいさん主演のシーチキン食堂的にも中心人物なので(笑)。加藤さんは昔から知ってるけど、コレクターズが30周年の武道館を迎える中で、微力ながら僕も何か一緒にやりたいと前から考えていました。キヨサクとTOSHI-LOWと加藤さんっていうのはとても面白い組み合わせだと思ったんです。最初TOSHI-LOWは「こんな優しい歌を自分が歌うのは似合わない」なんて言ってたけど、すごく似合ってると思うな。

TOSHI-LOW: ……最初に歌詞を読んだ時、絶望的だったけどね。「これを俺が歌うのかぁ?」って(笑)。

箭内: でもこの歌詞は全部実話。2011年以降いろんな人と会って、いろんな人が僕に言った言葉だったり、自分が思ったこと、それだけで出来てる。何かオリジナルなものを書いたというよりは、みんなから預かってたものを並べてできた歌だから。

──気取ったところが全然ないですよね。タイトルも、ジャケットも。

箭内: そう。最初はタイトルを『光』にしてたの。でも違う、なんかまだ格好つけてると思って、ギリギリで変えたんです。もちろん歌詞に〈光〉が出てくる部分は、幡ケ谷再生大学やTOSHI-LOWの活動に繋がると思って書いたんだけど。でも、タイトルはもっとみんながふわっと受け取れるものにしたかった。NHKの「みんなのうた」で流れても不思議じゃないくらいの。

TOSHI-LOW: ロックとかパンクとか関係なくね。でさ、もともと加藤ひさしは甘い声じゃない?歌い方も歌詞も甘くてロマンチックで。あとキヨサクは温かい声。俺はどうかなぁって不安だったけど、でも録ったものを聴いて「あ、俺も実は甘い声なんだ!」って。初めてそれに気づいたかな。

箭内: ふふふ。そうなんだよ。

TOSHI-LOW: たぶん、その甘い部分が嫌で、自分が好きなパンクとかには邪魔だと思ってて、あえてザラザラの声で歌ってたんだと思う。この曲も、最初はいつもの歌い方をしてたけど、最後に歌い直した時に一番普通の声、言ったら甘いところも出るような優しい声で歌ってみて。そしたらそれが一番ピタッとハマったよね。全然恥ずかしくなかったし、そのことを自分でも受け入れられたから。

箭内: 今、TOSHI-LOWが飛躍的に大人になってるんだよ。俺なんかどんどん追い越されてる。歌詞は実話って言ったけど、出だしの〈君がくれた言葉〉っていうのは、TOSHI-LOWが2011年の4月にくれた言葉でもあるの。あの時、福島の人たちに「どうして欲しいか教えてくれよ?」って言ったでしょ。

TOSHI-LOW: だって……決めるのは住んでる人だから。原発が爆発して、避難所にいて、たぶん一生帰れない人たちもいる。「どうしたいの?」って聞くしかないよね。福島にいたいのか、いたくないのか。故郷がいいのか、離れたいのか。それは福島の人たちが決めるべきでしょ。それを俺たちは一生懸命支援するだけで。まぁ、あの段階でそういう質問を福島に突き付ける人はまだいなかったと思うけど。

箭内: TOSHI-LOWは、どっちかの答えを想定して訊いてたわけじゃなかった。それは、その後の『Two Shot』で伝えたかったことでもあるんだけど。

──あの曲には、価値観の相違を認め合うというテーマがありました。

箭内: そうですね。で、あの曲の最後で〈君がつらい時は今度は 僕が助けに行くよ〉って歌ってる、そのバトンを今回の『ひとりじゃないよ』に渡したと。そういう繋がりかた。

──今回何度も出てくる〈今度は僕が〉という言葉は、5年が経っているからこそ説得力がありますね。

箭内: 「これは言い方が難しいけど……福島や東北の人たちの中で、少し元気な人たちは、何かしたいってみんな思ってるんだと思う。自分たちが助けてもらいっぱなしじゃなくっていう気持ちを、僕自身も含めてきっと確認しているんだと思います。そうやって行動することで、自分たちもまた元気になっていく。

TOSHI-LOW: 人に対してそう思えるときが一番元気出るよね。自分のことばっかりだと疲れちゃうけど、人のことだと一生懸命できる。自分のこと以上に、もっとできるんだよね。

箭内: やってもらってばっかりだと、申し訳なく、心苦しくなってくる。でも人のために動いてるつもりでも、逆に貰うことって多いじゃない?田舎の人って必ず「食べてげ」「持ってげ」っていつもたくさんご馳走やお土産をくれるし。もちろんそれは手間もお金もかかる行為なんだけど、でも、その人がそれをやりたいんだよね。そうやって心配しあう、思いやりあうってことをあたりまえのように生きている。

TOSHI-LOW: 自分で心を開けば、相手も開いてくれるしさ。そうやって喋るほうが面白いし、自分も楽になるからね。

箭内: そうだね。福島県でも、2011年の時に中通り地方の人たちは「自分たちより、浜通り地方の人たちのほうがもっと大変だ」って思っていて、そうなると、大変だとは言えなくなってくる。それが気持ちを張り詰めさせる力にもなるけれど、時間が経つとどんどん苦しくなってくる。「辛い」って言えないことが。で、僕は(益城町立)広安西小学校の校長先生とPTA会長さんと喋ったんですけど、二人が言ってたのは「東北の人たちがこの5年をどう乗り越えてきたのか」ってことで。これからどういう辛いことが起こり得るか。たとえば2年目だったらどんな問題が新しく起きるのか、人と人の間にどんな変化が起きてくるのか、いろいろ教えて欲しいって言われました。僕もあれから神戸や広島や、いろんな土地を訪ねて、乗り越える知恵、ヒントをできるだけもらおうと思った。そしてそれが今、繋いでいける、渡せるものになっていったらいいなと思う。

TOSHI-LOW: 前例があると強いよね。たとえば避難所行ってさ、一升瓶を目の前に置かれて、腕組んだオッサン二人から「どっから来たんだ?何やってんだ?歌歌ってんのか。歌ってみろ」とか言われるわけ。

箭内: それは……凄いなぁ。

TOSHI-LOW: 「うわ、すげぇ試されてる!」って思いながら、手元にある弾き語りのブックをペラペラめくってたら、紙が出てくるんだよね。Candle JUNEのイベントで渡辺俊美と一緒になって、その時に「これ、どっかで歌う時が必ず来るから」って言われて渡されたもので。そこにはコードと歌詞が書いてあるの。吉幾三の『出逢いの唄』っていう曲。

──……ごめんなさい、知らないです。

TOSHI-LOW: 俺がなんで知ってるかっていうと、宮古出身のミュージシャン、雷矢のヤスオが歌ってたからで。その曲は大自然に対して〈雨、風、嵐、ありがとう〉っていう歌なの。それを津波が来た直後に歌ってた。で、俺は今度熊本でそれを歌ったら、腕組んでたオジサン二人が大号泣(笑)。良かったよ。歌ってほんと力になるんだなぁって思った。そこからはオジサンたちも、毎回「よく来たねぇ!」って言ってくれるようになったし。

箭内: この前一緒に熊本に行った時、渡辺俊美もそれ歌ってた。実証されてるんだよね。辛いことがあった直後でも、この歌は機能する。だから熊本では手探りじゃなく歌える。そういう経験ってほんと大きくて。だからこそ東北で学んだことを、熊本だけじゃなく今後いろんなところで行動に移していくのが、今、求められてることだと思う。

──今、普通の音楽ファンが熊本にできることは何だと思いますか。

TOSHI-LOW: ……俺はほら、現場主義だから。どんなカタチでも行けるなら行っちゃえ、行って見てこいよって思う。熊本、メシがほんとに旨いの。たぶん日本有数で旨い。こりゃみんな飲むはずだわって思う(笑)。それだけでいいじゃん。行って、メシ食って呑んで帰ってくるだけでもいい。それは東北の頃から一貫して変わらないかな。で、ついでに勉強の意味で益城とか西原村とか南阿蘇に見に行かせてもらえばいい。それは決して不謹慎なことでも何でもなくて。阿蘇大橋が崩れてる景色とか凄いよ?もう鳥肌どころじゃない、人間の小ささを猛烈に感じる。自然に対する畏怖の念っていうかね。それを体感するだけでも行く価値はあると思うな。

箭内: そうだね。で、あとはこの『ひとりじゃないよ』をDLしてもらって、幡ケ谷再生大学にそのお金を託す。共に思いを馳せながら。それは簡単にできますよね。亀田誠治さんを始めとするみんなのおかげでとてもいい仕上がりになった。軽快で、ポップで。大男3人が〈ひとりじゃないよ〉って言ってくれるから、もうすごく心強いと思う。

TOSHI-LOW: ……熱苦しいよね?いやいや、ひとりにしてよ!って思うかもしれないけど、逆に(爆笑)。

箭内: いやいや。大男だけど、みんな可愛い3人だから(笑)

インタビュー/石井 恵梨子
撮影/石井 麻木
撮影協力/La Famillia

関連アーティスト

 

※商品は予告なく配信停止・価格変更になる場合がございます。購入前に商品情報をご確認のうえ、ご利用くださいますようお願いいたします。

THE HUMAN BREATHS ページTOPヘ

音楽ダウンロードサイト レコチョクTOP

エルマーク