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浅倉大介

更新
2005/02/25

浅倉大介
ついにQuantum Mechanics Rainbow完結

1年を費やし、7作のソロ・アルバムを定期発信してきたQuantum Mechanics Rainbow。サウンド・クリエイター浅倉大介が今持ち得るすべての力を注いだ渾身のシリーズだ。1作ごとに紫・藍・青・緑・黄・橙・赤のテーマカラーを設け、7作で虹を描き出す大作プロジェクトである。access、T.M.Revolutionの全ヒット曲を手がける右脳と、シンセサイザー・オタク達も黙らせる左脳をフル稼働。3月3日発売の最終盤『Red Trigger-赤の誘発思動期-』により、ついにシリーズ完結。

――1年間にソロ・アルバムを7作とは、尋常ではない発想ですね。完結させる自信はありましたか。
「そこは微妙(笑)。やる前から100%の自信があったら、きっとやらなかったし。毎月1作のような、100%無理な構想でもやってないから。実際、(通称)紫盤や藍盤を作ってる頃は、ゴールが予想できませんでした。でも、音楽を始めた頃から、“常識に縛られない”がボクの座右の銘みたいなところがありますから。尋常じゃない、普通じゃないってことに惹かれます(笑)。冒険心やチャレンジ精神がかき立てられるというか」

――“コペルニクス的転回”という言葉があるくらいだし。あらゆる進歩や発展は、古い常識を覆すことが始まりですよね。
「そうそう。SCRAP&BUILDって言葉もあるでしょ。創造のための破壊みたいな意味の。ま、壊さないまでも、今までにない新しい道を提示したかったのもあります。隔月誌のようにソロ・アルバムを発信したいとか。雑誌に例えたら、連載記事あり、コラムあり、特集記事あり、秘境や惑星のグラビア・ページもありみたいなアルバムにしようと思ってましたし。事実、毎回1楽章ずつ積み重ねて、第7楽章まで続く組曲「Quantum Mechanics Rainbow」も完成させたし。深海が目に浮かぶようなインストゥルメンタルも収録しましたね。リアルタイムで聞いてくれていた人達からは、新作が発売になるたび、“次はどうなるか楽しみです”というメールをもらったり。作る側のボクも、聞いてくれた人達も、今までにない新しい感覚を共有できました」

――今から7作一気に聞くという、新しいリスナーも現われるでしょうね。
「その人達の声も是非聞かせて欲しいんですよ。『24-TWENTY FOUR-』のDVD BOXを一気に見るようなものでしょ(笑)。連載コミックが単行本になってから、まとめて読むとかね。そこで何を思ってくれるか、ボクとは何が共有できるのか、すごく興味があるから。赤盤で虹シリーズは完結したけど、実はまだまだ先があってね。まだまだ広がるというか。7作をi-podやPCのハードディスクに入れて、組曲だけをつなげて聞くとか、ボクのボーカル曲をコンパイルしたり。今の時代だからできる音楽の新しい楽しみ方の第一歩にしてもらいたいし。そういうことを想定したアルバムも過去になったから」

――7作というか、7色盤あれば、リスナーにより好みが分かれるでしょうね。
「ファンタジー好きなら紫盤とか、ちょっとクレイジーな傾向が好きなら黄盤だったりね。ポップなものが好きならオレンジ盤、妖しげなのは緑盤とか。でも、ハズレはないから、そこは安心してください(笑)。ま、好みもあるかもしれないけど、その日の気分で聞き分けてもらってもいいと思いますよ。本当に命を削るように必死で作りましたね。全盤全曲1音1音にもこだったし。たとえば赤盤の「Phoenix-su・za・ku-」とかも。曲中に登場するフェニックスをどれくらいの大きさに設定するか、そこは聞いてくれた人達が思う以上に神経も時間も使ってます。聞けば6秒足らずだけど(笑)。ジャンボ・ジェットのエンジン音も混ぜて巨体が天空に飛び立つ様子を描いたつもりです。最近は、音楽を作る音ネタというか、音素材が充実してるから、それをそのまま使ってる曲も一般にはかなりあるんですよ。結果、どこかで聞いたことのあるような、どの曲も似たような音になっちゃうでしょ。その常識的な制作手法も破りたかったし。実際にSCRAP&BUILDできたという自負はあります。最新のテクノロジーを駆使して、ボーカルやラップなどの声をいかに波形処理し、新しい音に再構築するかとか。シリーズを通して聞いてもらうと、そのSCRAP&BUILDのプロセスも聞こえてくるんじゃないかな。呪文のようなグルーヴの、でも生声では絶対できないラップがあったり。イタリア語や中国語を音楽の一部に使ったり。1回目に聞いたときは歌詞が聞こえないのに、2回3回と聞いていると、なぜか聞こえてくる不思議な感覚とか」

浅倉大介 ――各盤にテーマカラーとは別の裏テーマもあるそうですね。
「裏というよりも、それぞれの色のボクなりの解釈ですかね。紫は透明感や冷たさ、藍は深海と宇宙。青なら、青空や青春というような青い景色を描いたスケッチブック的アルバムにしようとか。緑は生命の根源、黄は脳内風景。オレンジはPOPな感覚、赤は鼓動感というか、脈打っている感覚。ただ、赤盤の場合は、シリーズ最終作でもあるから、まとめ的な曲も含まれてますけど。1年を費やしたとき、7作のすべてが終わったとき、ギリシア神話に出てくる虹の女神IRISが現われ、音で虹を描き出すような曲とか」

――それだけテーマが多彩だから、オーケストレーションからデジロック、トランスからエレクトロポップなど、あらゆる音楽手法を駆使したシリーズになっていますね。
「組曲というシリーズを通しての大きな軸があったから、安心して暴れられたのかも(笑)。ボク的には、その組曲はかなり満足度が高いですね。シンセサイザーによるオーケストレーションという点では、他にない音質やスケール感を実現できたから。1年という時間の中での、ボク自身の進化も記録されてるし。クラシック・ファンの方々にも聞いてもらいたいですね。あと、シリーズを通し、トランス系の曲もかなり作ってます。それも独自の方向に発展してるし。トランスという方程式を使うけど、いかに新しい答えを導き出すかみたいな方向にね。他にも、今までなかったジャンルにも手を染めることができたし(笑)。さっきの声のSCRAP&BUILDや、ボクの中ではデジフォークと言ってるデジタル製フォーク。青盤の「青い花」という曲ですけど。赤盤収録の「Red Coder“anemone”」はデジタル製へヴィ・スカ・ロックだし。しかも、デジタル・バンド・サウンド。これだけのことはソロ・アルバム1作ではできなかったでしょうね。7作のシリーズだからこそ可能だったと思います」

――では、最後にシリーズを総括して一言お願いします。
「話が冒頭に戻るようですけど、尋常ではないペースでの音楽制作だったから、1年間スタジオに軟禁状態のような生活でしたね(笑)。で、伝わってくるニュースは、なぜか重苦しい事件が多かったし。それでも完結までたどり着けたのは、虹のテーマのおかげだと思ってます。虹のことを思うとき、なぜかポジティヴになれるんですよ。虹をイメージしながら、裏切られた失恋ソングなんて発想しないでしょ(笑)。その虹が持っているエネルギーがシリーズを通じ、聞いてくれる人達にも伝わったら嬉しいなと思います。虹を見上げるとき、人はやっぱり希望や期待をそこに重ねるわけだし。ボクもそうだったし。1作すべてを作り終えて、つくづく感じたのはそこでしたね」

■普段携帯を活用していますか。
「wwwブラウザをイントールして、外出先でもインターネットで調べものができるようにしてます。もしかしたら、通話やメールよりも、そっちの使用頻度が高いかも。マシン言語の時代からコンピュータを使っているし、レコーディング中も常にコンピュータの前にいるわけだから、指がQWERTY(クアーティー)キーボード以外受けつけなくなってます(笑)。だから、今の日本のケータイでは、ちょっとメール打ちづらいかな。他には、インターネットで見つけた、タイで放送されている日本茶のテレビCMの画像と音声を取り込み、「これ知ってます?」とか取材先のなぐみグッズとしても使用中。ちなみに待ち受け画面のフォントもすべてカスタマイズしてますよ。」

■お気に入りの着信音あるいは「着うた®」はありますか。
「今、ボクの中では、F1がブームだから、B・A・R Hondaの走行音を着信音に使ってます。ただ、いつでも着信音や着ボイスで使えるよう、フォルダー分けをして、ディズニー、仮面ライダー、はねとびも完備してます(笑)。」

■もしも誰かが浅倉さんの曲を「着うた®」にしていて、不意に聞こえてきたら、どうしますか。
「まずは思わずニンマリします(笑)。基本的には、生バンドの音よりも、ボクのようなシンセサイザー・ミュージックやテクノのほうがケータイ向きだと思いますね。で、一瞬頬をゆるめたら、そこからは聞こえ方のチェックというか、リサーチの耳になるでしょうね。あの音はケータイでも抜けがいいとか、こういうシチュエーションでは目立つとか。近い将来、ケータイ専用の音楽作りも必要になるかもしれないし。実際、クラシックの「第九」とかの交響曲やピアノ曲をダウンロードして、ケータイではどう聞こえるのか研究したこともありますよ。」

INTERVIEW&TEXT / 藤井徹貫

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ニューリリース

ジャケ写
浅倉大介
New Album
『Red Trigger
(赤の誘発思動期)』


DWDA-008
2,800円(税込)
2005.3.3
darwin

Quantum Mechanics Rainbow全7作
収録曲
01. Phoenix -su・za・ku-
02. Rose Line  
03. Sistema Sol  
04. etude on E-String
05. Embryonic Trigger  
06. Red Coder "anemone"
07. Quantum Mechanics Rainbow VII  
08. Message from 7 Lights  
09. Dragon -hi・ryu-
10. IRIS

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INFORMATION

DAISUKE ASAKURA LIVE Quantum Mechanics Rainbow 追加公演

■2005年3月26日(土) OPEN/START=13:30/14:00
■会場:東京国際フォーラム ホールC
■チケット料金:全席指定/6,500円(税込)
■チケット発売日:2005年3月12日(土)
■お問合せ:キョードー東京 ・・・Tel/03-3498-9999

リンク

オフィシャルサイト ::: http://www.danet.ne.jp/



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