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槇原敬之

更新
2004/08/20

槇原敬之
New Album『EXPLORER』

『EXPLORER』というタイトルに槇原は“幸せの探究者”という意味を託した。
その幸せとは、物や金銭がなくなってしまったら消えてしまうような表面的なものではない。また、幸せを手に入れた気分に浸れたとしても、また違う私欲が顔をのぞかせるようであれば、それはただの一時的な満足感にすぎない。槇原が提示しているのは、自分の内側から満ち溢れてきて、生きる道を照らしてくれる光になるような、真の幸せだ。
「本当に幸せになるための鍵は誰の心の中にもあるはず」と彼は言う。それを見つけ出すべく自分の心の中を探究していく、というワンテーマをいくつもの角度から深く掘り下げたのがこのアルバムである。

実生活においても彼は“すべては心から始まっている”という考え方のもと、いつも自分の内面に目をやり、心を修練する努力をしつづけている。そして、彼自身が日々の中で試したり実践するなどして確信した「良いこと」や、貫いている「正しいこと」を、どれだけ真摯に、まっすぐに詞として伝えることができるかということにとても重きを置いている。そのため、最近は詞を書き上げるうえでの言葉選びにより時間をかけるようになった。十代の頃に影響を受けた日本の詩人たちの作品を読み返すなど様々な本にも触れ、言葉の力というものをあらためて学んだ。そのことも彼にとっての大きな活力となったようだ。考えたぶんだけ、今の時点で一番伝えたい言葉を見いだすことができた。

時間を今まで以上に費やすようになったのは作曲も然り。手癖だけでまとめてしまうことなく、また、ファースト・インプレッションだけに頼ることなく、その先にあるはずの到達点へと進んでみることを心がけた。そうすることで、「行き着くべき所に行き着けた」と実感できる新たなメロディに出会えた。

「新しい所にどうしても行きたい」というアーティストとしての志気の高まりを抱いて臨んだ今回のレコーディング。ゆえに、その現場は前のめりなくらいの前向きさに満ちたものとなっていた。彼と制作に関わったメンバーが一丸となって(まさに“Tag Team”!)目指すべき所に向かって旅をしているような日々。そんな音楽的探究心がしっかりと実を結び、新たな風合いや新たな色彩感などを取り込んだ、より一層の幅も奥深さも印象づける、とてもポップで、力強くて優しいアルバムが完成した。

希望に向かおうとする波動を感じさせるような楽曲が揃っており、様々な想いを経たうえで自分の心を見つめ、人としての心をフル・ファンクションで稼働させながら、真の幸せに向かって確かに歩を進めている主人公たちが本作の中で生きている。きっと“優しい歌”を誰にでも等しく歌うことができるであろう主人公たちだ。


槇原敬之 本当に幸せになるための鍵。それは、たとえどんな場所にいたとしても、きっと見いだすことはできる。だけど、やはり、どんなときも自分の心の中を見つめられる強さがまず必要だ。苦しみを抱えたときに誰かを責めたり、人に何かを求めてばかりいては闇に覆われて見失ってしまう。正しさに向かって躊躇なく進むことができ、捨て身になって人を思いやることができ、目には見えない大事なものに気づき、それを信じ、それに感謝できる、そういう揺るぎなくも穏やかな心でいてこそ、人は、その鍵を見いだすことができるのだろう──彼が誠意を尽くして真摯に、まっすぐに書き上げた“本当の言葉”たちが、そんなことを教えてくれている。しかも、誰にとっても親しみやすいポップという形で、本当に大切なことを心にぽんと置いてくれる。

そして、最後には先行シングルでもある「僕が一番欲しかったもの」にたどり着く(これは英国のボーカルグループBLUEへの提供曲「THE GIFT」の日本語バージョン。元来、槇原はこの日本語詞をもとにこの曲を作り上げたのだ)。この歌の主人公は、何か素敵なものを漠然と探して丸い地球を延々と歩きつづけていくうちに、ようやく本当に素敵なものを見つけ出す。それは、ふと気づけば自分は様々な人たちと出会い、調和しながら共に生きているということに対する喜びと、そして、自分が求めているものは“無償で与えること”の中にこそ在るという、人として生きるうえで本当に大切な幸せの真理だ。まるで、そんな主人公を自然のあらゆるものが祝福しているような、恵みの光が溢れ出すようなハッピー・エンディングである。

「このアルバムが作れたことを、すごく嬉しく思ってる。今の自分が伝えたいことが、言葉の面でも音楽的な部分でもピタッと合って、本当にいい形で表現できたから。こういう方向に行けるだろうとは思っていたけど、頑張って行ってみたらそれ以上のものがあったという感じ」
それでも、彼の心の探究は休むことなく続いている。伝えたいと思う大切なことが彼の中にはまだまだたくさんある。

「困ったときに助けてくれないような歌は書きたくない。人の心に添っていけるような、血の通った歌をずっと歌っていきたいから。そのためにも、人としてまだまだ気づける大事なことがあるなら、もっともっと気づきたい」
きっと槇原は、いい意味での未完成な自分を見いだしながら、真の“EXPLORER”でありつづけるのだろう。

TEXT/松野ひと実


ニューリリース

ジャケ写

※初回盤
槇原敬之
New Album
『EXPLORER』

TOCT-25440(初回盤)
TOCT-25441(通常盤)
3059円(税込)
2004.08.11
TOSHIBA EMI
収録曲
01.優しい歌が歌えない うたうた
02.夏は憶えている うた
03.TagTeam うた
04.武士は食わねど高楊枝 うた
05.Happy Ending うた
06.君の名前を呼んだ後に
07.とりあえず何か食べよう うたメロ
08.ハトマメ〜Say Hello To The World.〜 うた
09.The Fog うた
10.世界に一つだけの花 うたメロ
11.Boy, I'm gonna try so hard うた
12.僕が一番欲しかったもの うたメロ

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INFORMATION

槇原敬之 CONCERT TOUR 2004

オリジナル・アルバムとしては9年10ヶ月ぶりにオリコン首位を獲得した今作を引っさげて、9/4(土)より、さいたま市文化センター 大ホールを皮切りに、全国各地を巡るコンサートツアーがスタート!生の歌声を体感しよう!詳しくは下記オフィシャルサイト内“NEWS”をチェック。

リンク

槇原敬之 オフィシャルサイト ::::: http://www.makiharanoriyuki.com/



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