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バッハという選択に、いささか意外なというより、何で? という感なきにしもあらずであったが、ピアニスト・バレンボイムはやはりただ者ではなかった。齢老境にさしかかって削ぎ落とされたエッセンシャルな世界に向かう、といういかにもの読みスジなぞあっさりと超え、ストレートにピアノ弾きとしての音の生理で作品世界に対峙しているのである。しかも、いまどきのアプローチとは明らかに一線を画した視点で。結論から先に言おう。バレンボイムは、いわば、ピアノをピアノとしてどう美しく響かせるか、という耳のふるいで新たなバッハのソノリティを引き出そうと仕掛けている。ひょっとするとそれは"いまどきロマン的な"方法論なのかもしれない。しかし、ここにはしたたかなほど耳をそばだたせる、紛れもない"ピアノの音"が息づいているのだ。何はさて、のっけからその"音"に耳が惹きつけられる。昨今のバッハ演奏のかたちは、たとえば歯切れのいいタッチと快速テンポで音の運動の快感をつくりつつ、各声部の動きをくまなくクッキリと捉え響かせていく、といったところが通り相場。各音は粒立って記号的に独立し、時にきらめきが聴こえることはあっても、音色的には淡彩の印象が強い。ところがこのバレンボイムの演奏は、サステイン・ペダルを多用し、耳を澄ますといった風情でテンポを抑えて、夢幻に漂うようなリリカルな響きの流れを作る。その中からメロディや線の絡みを浮かび上がらせ明滅させて、響きの色を濃やかに変幻させていく。はじけて走る、といった馴染みの音のかたちはほとんど現れない。沈潜するわけではない。色が漂い、ナヨと沈む一歩手前で音の表情の生彩をフイと解き放つ。その自在な音の姿が、一聴ロマンティックと映る。しかし、主役は音の意味としての情感ではなく、あくまでピアノの響きがもたらす美感でありリリシズムなのである。この独自なバッハの形。コンパクトな9番、10番、17番に白眉を聴いた。(CDジャーナル)
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